5.イベントコマンド定義

 イベントコマンド定義では、イベントに設定する各種コマンドを定義します。
 例えば、会話コマンド、場所移動コマンドなどです。
 このコマンド定義は、イベント作成の根幹となるし、一旦、イベントを作成した後では、
 変更や削除が不具合につながることもあるので慎重にしなければいけません。
 なお、変更・削除ではなく追加であればいつでも問題なしです。
 

(1)操作や設定自体はデータベースにかなり似通っています。
   コマンドそのものを作り、パラメータとなる項目を作ります。
   ここで設定したコマンド名が、そのままイベント作成時のコマンド名となります。
   なお、コマンド名を変えると、同一のコマンドとして認識されなくなるので
   注意が必要です。
   データベースと違うところであり、重要な事項が次のとおりです。

  @ イベントのコマンドリストに表示する文章の設定
    入力したコマンドの内容が分かるような文章を設定します。
    文章にはコマンドのパラメータを引用できます。

  A イベントデータのタグの設定
    実際にゲームで利用するときのコマンドタグを設定します。
    そのタグを読み取り、コマンドを実行する感じです。

  B 戻り値
    Aに関連し、コマンドを実行するための各項目に応じた値を返します。
    項目ごとの戻り値については(2)で説明します。

(2)設定できる項目タイプ
  @ 数値入力
    数値を入力します。パラメータはデータベースと同じです。
    戻り値は「数値」です。

  A 文字入力
    文字を入力します。パラメータはデータベースと同じです。
    戻り値は「文字列」です。

  B 長文入力
    改行可能で文字を入力します。既定値は無くIMEモードだけ設定できます。
    戻り値は改行コード「\n」を「:」に置換した「文字列」です。
    実際に使うときは「strrep 戻り値, ":", "\n"」という使い方を想定しています。
    例)「こんにちは\nこんばんは」→「こんにちは:こんばんは」

  C 長文入力(行追加)
    Bの長文入力だけでは入力ボックスの高さが足りない場合に、
    高さを足すための項目です。
    戻り値は無く「空欄」を返します。

  D スイッチ参照
    プロジェクト全体を通したフラグ管理用のスイッチを参照する
    ウィンドウを呼び出します。
    戻り値は「スイッチ番号:スイッチ名」を記録した「文字列」です。
    実際に使うときは「split 戻り値, ":", 分割値」「int(分割値(0))」という
    使い方を想定してます。

  E イベント一覧参照
    編集マップ内のイベント一覧を表示します。
    戻り値は「イベントID:イベント名」を記録した「文字列」です。
    実際に使うときは「split 戻り値, ":", 分割値」「int(分割値(0))」という
    使い方を想定してます。

  F セルフ変数参照
    各イベントのセルフ変数を参照します。
    最大8個のセルフ変数を参照できます。
    戻り値はセルフ変数のインデックスを記録した「数値」です。

  G イベントカスタム移動参照
    イベントのカスタム移動画面を呼び出します。
    戻り値は「AB:移動内容:移動内容…」を記録した「文字列」です。
    なお、 A は「移動できなかったときは次へ」のフラグ(0 or 1)、
        B は「繰り返し行動する」のフラグ(0 or 1)となり、
    この2つを羅列して記録しています。
    例)「01:上に移動:右を向く:ウェイト」
    実際に使うときは「split 戻り値, ":", 分割値」を想定しています。

  H マップ参照
    マップを呼び出し、座標等を参照します。
    戻り値は「マップID:マップ名:X座標:Y座標:レイヤ番号」を記録した「文字列」です。
    実際に使うときは「split 戻り値, ":", 分割値」を想定しています。

  I テーブル参照
    データベースのテーブルの値を参照します。
    戻り値は「レコードID:レコードインデックス:レコード識別名」を記録した「文字列」です。
    実際に使うときは「split 戻り値, ":", 分割値」を想定しています。

  J リスト参照(インデックス記録)
    任意に設定したリストアイテムを参照します。
    リストアイテムは最大で32個までです。
    戻り値は「リストインデックス:リストアイテム名」を記録した「文字列」です。
    実際に使うときは「split 戻り値, ":", 分割値」を想定しています。

  K リスト参照(テキスト記録)
    Jと同じものですが、戻り値が「リストアイテム名」を記録した「文字列」になります。

  L チェック
    最大16個までの複数選択可能なチェックボックスです。
    なお、表示できる文字は全角1文字までです。
    戻り値は「数値」です。

  M ラジオ
    Lとほぼ同様のもので、こちらは単一選択のラジオボタンになります。
    戻り値は「数値」です。

(3)タグ・コマンド用文章の設定
   イベントデータ用のタグ、イベント編集時のコマンドリストに表示する文章を設定します。
   左下の編集ボックスで直接記述してもよいのですが、ツールのタグの編集から行うのを推奨します。
   ↓がタグ編集画面です。
   

  @ 項目一覧
    (2)で設定した項目の一覧です。
    コマンド用文章にパラメータを表示するときは、
    この一覧に表示されている項目番号を用いることになります。

  A タグ名
    ゲームでコマンドを認識するためのタグを設定します。
    例)会話コマンド   → 
      場所移動コマンド → 
      ※ 例では<>で囲んでいますが、特に<>で囲む必要はありません。

  B 段落
    コマンド文章表示時に、段落を下げるかどうかのチェックです。
    例えば、選択肢等の条件分岐時に段落を下げます。

  C 色
    コマンド文章表示時の文字色です。
    ここで指定できる色のみ対応しています。

  D コマンド表示文
    実際にコマンドリストに表示する文章を入力します。
    このとき、パラメータの内容を引用し表示することができます。
    例)パラメータ0=効果音、パラメータ1=文章の内容とします。       「■会話(<0>)<1>」
         ↓
      「■会話(男の声)こんにちは:ここは始まりの村です」

  ※ 注意事項としては、イベントを作成した後にタグ名を変更しても
    イベントデータまでは書き換わらないので、ゲーム側で不具合の元になってしまいます。
    そのコマンドを一度でも使用したら、タグ名は変更しないことをオススメします。
    なお、コマンド表示文はこのツールの表示上の問題なので、
    後からいくら変更してもゲーム側で不具合の元になることはありません。